東京大学先端科学技術研究センター 協働事業

フツウ・ラボ 講座レポート

会話のちょうどよさってどんなもの? -グライスの格率・ポライトネスの原理-

第4回目のテーマは、「会話のちょうどよさ」について、私たちはどのように感じ判断しているのか、『グライスの格率』『ポライトネス理論』と呼ばれる知見をもとに考えていきます。
『グライスの格率』とは、「情報伝達の効率性」のルールのことで、会話のちょうどよい「量」や「質」、「関連性」や「様態」がどのようなものかについて考察します。一方の『ポライトネス理論』は、「会話の礼儀正しさ」を規定するルールについてです。ポジティブ・フェイスと呼ばれる、「他者に好かれたい」プラス方向の欲求と、ネガティブ・フェイスと呼ばれる「他者に立ち入られたくない」マイナス方向の欲求とがあり、コミュニケーションする相手がどちらのフェイスを持っているかによって、会話の仕方が変わってくることについて学びます。

熊谷 晋一郎
医師・研究者
1977年山口県生まれ。新生児仮死の後遺症で、脳性まひに。以後車いすでの生活となる。東京大学医学部卒業後、病院勤務などを経て2015年から現職。専門は小児科学、当事者研究。博士(学術)。著書『リハビリの夜』(医学書院、2009年)で第9回新潮ドキュメント賞を受賞。近刊は『当事者研究をはじめよう』(同、2019年)、『小児科の先生が車椅子だったら』(ジャパンマシニスト社、2019年)、『当事者研究』(岩波書店、2020年)など。

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