東京大学先端科学技術研究センター 協働事業
フツウ・ラボ 講座レポート
会話のちょうどよさってどんなもの? -グライスの格率・ポライトネスの原理-
熊谷晋一郎先生(小児科医/東京大学先端科学技術研究センター教授)
講義日 2024-11-16
第4回目のテーマは、「会話のちょうどよさ」について、私たちはどのように感じ判断しているのか、『グライスの格率』『ポライトネス理論』と呼ばれる知見をもとに考えていきます。
『グライスの格率』とは、「情報伝達の効率性」のルールのことで、会話のちょうどよい「量」や「質」、「関連性」や「様態」がどのようなものかについて考察します。一方の『ポライトネス理論』は、「会話の礼儀正しさ」を規定するルールについてです。ポジティブ・フェイスと呼ばれる、「他者に好かれたい」プラス方向の欲求と、ネガティブ・フェイスと呼ばれる「他者に立ち入られたくない」マイナス方向の欲求とがあり、コミュニケーションする相手がどちらのフェイスを持っているかによって、会話の仕方が変わってくることについて学びます。